呪術施行詳細


先に簡易ですが、私が三十数年関わる西南アフリカに跨る大種族バントゥ系の一部族が齎した俗称パロ信仰を御紹介します。私自身、此の信仰を崇め奉りて居り、其の主体は祖霊(死霊)崇拝で有り、選ばれ且つ双方共に合意出来た場合、霊と契約を交わします。勿論の事、あらゆる事象・物象に宿る神霊も崇めますが、其れも含め個々が独自に「ムナンソ(死霊部屋)」を構え崇め奉ります。当然、ンガンゲーロという術師の認可を得た者は呪術施行も祭壇にて実行します。

 

パーロ信仰にて、死霊を使役する呪い作業は、まず共にする死霊との交信から始まり ます。日取りや気候は関係しません。唯一、時間のみ午前12時以降という 規定が有ります。死霊との交信に関しては、呪い師により様々ですが、基本的に交信用のツールと各々呪い師の内部に有る直感や第六感を尊重し進めるわけです が、興に乗って来ると、共にする死霊の性格が自身で理解出来る感覚を得ます。交信の度に死霊が肉体をスライドするという感覚です。また、熟練呪い師となれ ば、共に肉体内部で籠もり交信しツールを必要としません。端から見た場合、呪い師本人の性格と死霊の性格が言動で交錯する場を目の当たりにするわけです。

籠もる器は、Nganga Kinyumba(ンガンガ・キンユンバ)という3タイプ有るンガンガの器の一つで有り、キンユンバとはバン トゥー語で頭蓋を 意味し、器の底に頭蓋骨(契約を交わした死霊)が据わります。方向性として中道を行き、無情と慈悲が交錯する事から、契約者(呪い師)は良い方向性から悪 まで術を執行出来ます。 2575種類有るFirma(フィルマ=符号)という様々な要望別の符合、及び様々な神霊の受諾許可とエネルギーを使用する権限が有ります。

 

※画像は、私の契約霊を据えたMUNANSO(ムナンソ=死霊祭壇部屋)です。


次に、私がフィールドワークで得た、西アフリカ・トーゴのエヴェ族及びベニンのフォン族が実践するヴドゥ信仰の呪術師。同じく西アフリカ・ナイジェリアと隣国ベニンに分布する大種族ヨルバ族のオリシャ信仰、更にナイジェリアのヨルバ族に次ぐ大種族イボ族及び西アフリカ・ガーナに分布するアカン種族系部族のオビア信仰、此れらの各々呪術師方。部族に違いは有れど主体は祖霊崇拝、更に事象物象に宿る神霊を崇め、呼称は違えど各々神霊の作用や祀り方に違いは有りません。中米カリヴのハイチ共和国のヴードゥー教は、西及び西南アフリカの神霊信仰の全てのエッセンスを取り込み成立させた宗教です。

 

私の呪法も然る事ながら、探索で得た上述の術師の方々の協力も得て此のサイトは運営致して居ります。